2023.11.24 改訂
お気に入りのレザーバッグ、さあ、お手入れをしよう!と意気込んだは良いけれど、ケアクリームってどれを使えば良いのかイマイチ分からない。
種類も豊富で、さらに色々なメーカーのもあって、ひとつ選ぶのも一苦労です。
かといって、お手入れをしないと、革表面が乾燥したり、栄養不足になってしまう場合があり革を傷めてしまう原因になってしまいます。
今回は、トライオンで取り扱っているクリームの種類を比較しながら、簡単にご紹介します!
モゥブレィ(M.MOWBRAY)
こちらは、革のお手入れ製品で有名なイタリアの老舗、M.MOWBRAY社のクリーム。
左が、M.MOWBRAY デリケートクリーム、右がM.MOWBRAY アニリンカーフクリームです。2つのクリームの共通点は「無色透明」であること。
バッグやお財布は、お洋服やバッグの内装生地と擦れることがあるので、基本は色の付いていない「無色透明」のものを選びます。
レザーケアクリームは、「水」「油分」「ロウ」を配合して作られています。
この3つの成分の配合バランスの加減で、塗りやすさや、クリームのタッチ、塗布した後の仕上がりが異なってきます。
では、それぞれのクリームの特徴を順番にご紹介していきましょう!
デリケートクリーム
「水」が多く含まれていて、さらっとした乳液状のクリーム。
浸透が良く、艶なしで仕上げたい場合(現状の表情をキープしたまま、油分を補給したい時など)に適しています。
どんな革にもオールマイティに使うことのできるクリームですので、お手入れ初心者さんにもおすすめです。
※爬虫類の革・エナメル・スエード・ヌバックなどには使用できません。(それぞれ専用のお手入れ方法があります)
アニリンカーフクリーム
「ロウ」が多く含まれていて、デリケートクリームに比べると固めのクリーム。綺麗に馴染ませていくと、革表面に上品な艶を出すことができます。
一方、ソフトレザーなどの柔らかい質感の革に塗布すると、艶感が出てしまうことで「柔らかそうな印象」を損なう場合があります。
塗った後はさらっと仕上がるので、バッグの持ち手など、ベタ付いて欲しくない部分の使用に最適です。また、「ロウ」でコーティングされるので、防水スプレーまではいきませんが、汚れが付きにくくなります。
次の写真は、それぞれのクリームを、実際に素上げ調のグラブレザーに塗ってすぐの状態です。
上にデリケートクリーム、下にアニリンカーフクリームを塗布してみました。
デリケートクリームは水っぽいので、乾くまでしばらくかかりますが、乾いてしまうとクリームを塗ったかどうかも分からないくらいになります。まさに、油分を補給するだけの艶無し仕上げです。
アニリンカーフクリームを塗った部分は、よく見ると少し白くなっています。これはロウがきちんと伸ばし切れずに乾いて固まってしまった状態です。こうならないように、クリームを塗った後は艶出し(乾拭き)をしてあげて下さい。
そうすることで、上品な艶が綺麗に載り、生き生きした表情になります。
最後に、艶なしと艶ありのクリームを塗っていったらどうなるのか・・・
分かりやすい革サンプルの見本をご紹介します。
こちらは、シボ革(タンブルソフトグラブレザー)。左側にデリケートクリーム(艶なし)、右側にアニリンカーフクリーム(艶あり)を半分ずつ塗り重ねていった状態です。
艶なしの方は、元々の柔らかそうな革の質感が感じられ、艶ありの方は、艶感が増してぐっと大人な印象に仕上がっています。
同じ革でも、お手入れに使うクリームによって、こんなにも表情が違ってきます。
オリジナル開発のグラブレザー専用クリーム
こちらは、グラブレザーに最適な、トライオンのオリジナルケアクリーム。
グローブと同じように、愛着を持って長く愛用してほしい。そんな思いから、グラブレザーに合った成分で調合した、オリジナルのケアクリームを作りました。
こちらは、スタッフが実際に、レザーケアをしながら約3ヶ月使用してみたバッグです。革がほどよく柔らかくなり、良い味わいのくったり感が出ているのがわかりますね。
濃厚なクリーム状のテクスチャーで、保革効果により革のひび割れや乾燥から保護してくれます。
クリームを使い分けることで、革が見せる表情の幅はより広がります。
それぞれの好みに合わせた経年変化を楽しんで、好みの仕上がりの革に近づけていく、そんな時間を楽しむのも、本革ならではの醍醐味です。