公式ブログでは、TRIONのバッグが出来上がっていく背景も少しずつご紹介していきたいと思います。
今回はTRIONの代名詞とも言える、パネルレザーモデルの製作現場をご案内します。
ここは、フィリピンにあるTRIONの自社工場。
ここで、TRIONのバッグはここで産声を上げます。
フィリピン工場は、設立から30年の歴史があります。
今では野球グラブやアイスホッケーグラブを輸出する業界トップファクトリーのひとつとなりました。
野球グラブもバッグも、出来上がるまでのすべての工程がひとつひとつ手作業で行われています。
長年グラブ作りによって培ってきた技術を活かし、今日もここフィリピンで、フィリピンと日本のスタッフが共に日々ものづくりと向き合っています。
パネルレザーのモデルを作る工程では、まず材料を作るところからはじまります。
グラブ製造時に出た端材を金型で抜き、一枚ずつのパネルを作ります。
一枚ずつのパネルを選別し、芯材となるシートの上に並べます。
並べ終わったパネルにミシンでステッチをかけることで、再び一枚の革として生まれ変わります。
「余った革をなんとか活かせないか」という発想から生まれたTRION独自の素材である「パネルレザー」は、こうした丹念な手仕事によって、再び命を吹き込まれ、かたちになっていきます。
パネルレザーとして、一枚の革素材に生まれ変わった端材たちは、次の工程に進みます。
ここからやっと、バッグや小物として、立体的な姿にかたちづくられていきます。
ここでも、一縫いずつの丹念な手仕事が続きます。
持ち手や縁巻き、ストラップの根革など、ボディ以外のパーツは一枚革から作ります。
しなやかで丈夫なグラブレザーという素材から生み出されるパーツは、どれもしなやかで美しく、ものづくりの丁寧さが見て取れます。
こちらは仕上がった順に並べられ、ボディに取り付けられる順番を待つ持ち手。
自らの出番を待つその様子は、心なしかわくわくしているように見えます。
次に、出来上がったボディパーツに、持ち手やショルダーストラップなどのパーツを縫い合わせ、成形していきます。
かたちを整えるこの工程も、スタッフの手と目と感覚が頼りです。
機械ではなく、手仕事だからこそ成すことの出来るかたちと技がそこにあります。
国を越え、どんな人がどんな風に使ってくれるんだろう・・・
そんな想いをめぐらせながら、最後にクリーニング・検品を経て、フィリピンから日本へ送り出されます。
そして、こうして届いたバッグたちが日本の店頭に並びます。
ひとつずつの工程を丁寧に踏み、気持ちを注いで人の手が作ったバッグは、一点ずつが唯一無二なのです。
また、パネルごとで濃淡や色味を見てみると、全く同じ表情のものは一枚もありません。
そこに、パネルレザーというTRION独自の素材ならではの、ユニークさと味わいがあります。
こうして人の手によって作られたバッグは、人の手に使われることで、また味わいを増していく。
そして、使う人と共に時間を過ごし、道具としてのバッグがいつか道具以上の存在になっていく・・・
そんな想像をしながら、今日も私たちはものづくりに向き合います。
これからも使うほどに愛着が湧く、そんな革鞄をお届けできるよう、TRIONらしいものづくりを追求していきます。
‣今回の記事で使用したモデル
【DP101】:トートバッグ(縦型)/A4サイズ対応